チーム・オブ・ライバルズ

投稿者:
ライフネット生命 スタッフ

気がつけば今年ももう師走。
昨年の今頃は開業の時期が刻一刻と迫り、社内も日々騒然としていたことが思い出される。
はるか昔のことのような、一方で昨日のことのような。
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題名はご存知の通り、オバマ次期大統領が閣僚チームを発表した時、にわかににぎわった言葉。
激しく舌戦を繰り広げ、最大のライバルであったはずのヒラリー・クリントン女史を国務長官として
なんともあざやかに、潔くよく、男らしく(?!)迎え入れたのだ。
かの第16代大統領リンカーンが、同じ共和党のライバルを取り込んで組閣したことにならって、
「チーム・オブ・ライバルズ」と呼んだとのこと。
その手法を、どん底とも言える大混乱下のアメリカの救世主として国民の期待を一身に背負う
オバマ次期大統領も取り入れたという。

簡単なことのようで、でも普通はとてもできないのではないだろうか?
考え方の違いというのは、そのことについての経験の違いから来る時と、あるいは人生観や価値観に及んでまで
根が深いところから来る場合とがあるように思う。
いずれにしても、意見がまっ向こうから衝突するというのはお互い擦り減らすし、傷つけるし、
パワーが要るし、ごく並みのレベルの人間なら「自分とは合わない。」「関わるのがめんどくさい。」と近づかず、
遠ざけようとするのが常である。
ことごとくこれからも意見のすれ違いで対立するであろうことが予測される相手を、敢えて自分のチームに入れる
というのは強靭な確固とした自信に満ち溢れた己と、並はずれた精神力がないとできない。

アメリカの大統領選というのがこれほどの長期戦であったということを、恥ずかしながら今更知ったのだが、
戦いが終わる頃、幸か不幸か大恐慌以来というほど国が低迷し、見方によっては脆弱さが露呈し、
その余波が世界に駆け巡る状況が重なったのは、運命の巡り合わせか、まるで最初から選ばれし者として
「変革=チェンジ」を掲げる彼に勝ちが決まっていたかのようにも思える。

そしてこの決断。

もちろん手放しの称賛ばかりではないそうだが、久々に胸がすくような
映画の完全無欠のヒーローや、昔の時代の英雄のような人物が現代にもいたのだというちょっとした安心感と
感激した気持とが入り混じった不思議な感覚にしばし浸ったひとときだった。

内面的・外面的な多様性を尊重するという「ダイバーシティ」を国でも、企業レベルでも徹底的に実践することに
こだわることができたら、強いリーダーの下に真の強い集団が生まれる、または生まれ変わることが可能なのだろうか?

高尾 美和

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