「がんばり方」を考える ~ 社会人一年目の三つの学び

投稿者:
ライフネット生命 スタッフ

こんにちは!企画部の堅田です。
さて、副社長岩瀬の新刊『入社1年目の教科書』ライフネット生命保険サイトの外へ移動します(新しいウィンドウが開きます)が好評とのこと。さっそく読んでみたところ、ページを繰るごとに冷や汗が…。はて、じぶんが社会人1年目のときはどうだったろう?と思いかえすよいきっかけとなりました。

ということで、今回は自分自身が、新人の頃に学び、今も大事にしていることについて書いてみたいと思います。

1. 「がんばり方」を考える

大学を卒業後、ムンバイのベンチャー企業で半年ほどインターンとして働きました。学生時代に出会ったインド人の友人が、コンサルティング会社で働いていたお兄さんと一緒に立ち上げたばかりの日本人研究者向け英文校正サービスの会社で、当時のオフィスには創業者二人とその従兄弟、自分の4人だけ。売り上げはゼロ。

お客もいない(というか、商品・サービスも固まっていない)、お金もない、経験もないという「ないないづくし」の環境、さらに、半年という時間の制約も。そんな状況で最初に思い出したのは、大学時代の親友からくり返し言われていた「ただ、時間をかけてがんばることは誰にでもできる。大事なのは『がんばり方』を考え抜くこと」という言葉でした。

一般に、社会人になりたての頃は責任範囲も小さく、一つの仕事にじっくりと取り組めるため、つい、お金も時間も有限であるという当たり前の事実を忘れ、闇雲にがんばってしまいがち。有限な資源をどのように割り振るか、お金をかけずにどのようにして市場調査を行うか、お客さまとのメールのやりとりを少しでも効率化するにはどうすればよいのか…などなど、立ち上げたばかりのベンチャーかつ、そこで働く日本人は自分だけという環境で身についた『がんばり方』を日々考え続けるクセは、今も自分の仕事のバックボーンになっているように思います。

2. 便利屋を開業する

ムンバイでのインターンシップを終えたあとは、東京に戻り、投資銀行でM&Aアドバイザリーの仕事に就きました。部門長との最初の評価面談で言われたのが、「まずはチームにとって『便利な人』になりなさい」という一言。

M&Aアドバイザーの仕事は常にチームで取り組むため、新人のうちは一人でクライアントに相対する機会は少なく、プレゼンテーションのためのデータ集め、ファイリングや日程調整など、「その他の雑用」と見えるような仕事が大半となります。そのため、ともすると「言われたとおりにこなす」という受け身の姿勢に陥りがち。そうではなく、上司やチームメンバーを自分の”顧客”に見立てて工夫を重ねることで、「この新人と一緒に仕事をすると楽だなぁ」と思われるよう努力しなさい、というメッセージだと理解しました。

そのためには、頼まれたことを期限内に終わらせるだけではなく、”顧客”の期待を上回るサービスを提供し喜んでもらうには?次に”顧客”が求めることを先回りして準備するには?…と日々考え続ける必要があります。

いわば個人事業主として「便利屋 ○○商店」を開業したつもりで実績と信頼を重ねることが、結果として(本当の)お客さまの満足につながり、より責任の大きな次の仕事につながる、というこの考え方は、ライフネット生命での現在の私の仕事のように、直接お客さまと接する機会の少ない環境では、より大切にしたいと思っています。

3. 気をつけない

投資銀行も生命保険も、形のないサービスを提供する金融サービス業です。それゆえ、信用を築くのはとても難しく、失うのは一瞬です(そのあたりは以前の社員ブログ「信用と信頼」にも書きました。

新人の頃、「契約書を印刷し、部門長のサインをもらってクライアントに送付する」という単純な仕事で失敗をしたことがあります。提出期限の直前まで小さな修正をくり返していたために、間違って古いバージョンの契約書にサインをもらってしまったのです。幸い、クライアントに提出する直前で気づいたため事なきを得ましたが、冷や汗ものでした。

そこで、上司から言われたのは、「人は必ずミスをする。だから、『ミスをおかさないよう気をつける』のではなく、『気をつけなくてもミスが起こらない仕組み』を作りなさい。」ということ。上の例で言えば、少しでも書類に修正が入ったら、前に印刷した書類は破いて捨てる決まりにする。それさえ心がけ習慣化してしまえば、取り違えはなくなり、もっと言えば「気をつける」必要もなくなります。

これはとても単純な例ですが、人はミスをするという前提に立ってミスの可能性を排除する仕組みやルールを整備し、ミスしようと思ってもできない状況をつくる…という視点は、特に信用商売である金融機関で働く上で、常に心に留めておきたい大事な教えです。


以上、読み返すとあたり前のことばかり書いているようで、また、自分もまだまだ出来ていないことも多く恥ずかしいのですが、新年度1回目ということで、このブログを当社の新入社員3名を含む新人の皆さんへのささやかなエールに代えたいと思います。

…とここまで書いて念のため確認したら なんと新年度2回目のエントリーでした。
一気に説得力を失いますね、これは(大汗)。

(写真は投資銀行の新人研修で滞在した思い出のニューヨークです)
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企画部 堅田 航平


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