今年の春、こんな小さな夢を抱いた。
「バナナジュースを浴びるほど飲みたいんだ!」
勝手に飲んだらええやんと言われたら、それまでのこと。
今思えば、もっと壮大なことも考えられただろうと。
「バナナジュースで口ひげを作りたい!」とか、「バナナジュースのプールに飛び込みたい!」とか。
「ポテトサラダの山に飛び込みたい!」とか、「高野豆腐のベッドで寝たい!」とか。
少し妄想が過ぎたようです。
このちっぽけな夢は、夏の終わりに叶いました。
業務用のスムージーブレンダーを購入したのです。
コーヒーチェーン店に置いている何でも粉砕できる機械。
早速、いろんなフルーツでジュースを作ってみると、バナナの安定感が半端ないことに気づかされます。
「どうしてバナナジュースは人を惹きつけるのか?」と問われた、
今の自分には答えを持ち合わせている。
独特のとろみと独特の香りのせいだと。
小さい頃、母親がケーキやマドレーヌを作っているのを手伝っていた。
レモンエッセンスやバニラエッセンスの香りに驚いたことを覚えている。
同じような興奮は、高校でも経験している。
化学の授業。有機化合物のひとつ、香料などに使われるエステルとの出会い。
お気に入りは、酢酸イソアミル(C7H14O2)。
ご存知のバナナエッセンスです。
化学の世界は大したもんだと高校生ながら思ったものです。
このにおいのせいでバナナが嫌いな人もいるようですが。
それにしても、においの記憶は鮮明。
サイダー、ホップ、シャンプー、香水、地蔵盆の線香。
それぞれのにおいに想い出があって、簡単に思い起こすことができる。
秋の夜長、眠るまでの一時。
ベッドで空想に耽っていると、カラダから懐かしいにおいがする。
プールのにおい、NaClO...次亜塩素酸ナトリウムの臭いだ。
ただいま極私的肉体改造計画を実施中。
それはまた別のお話。
商品開発部の杉田でした。