素敵な大先輩

投稿者:
ライフネット生命 スタッフ

先日、久しぶりに着物を着る機会がありました。
せっかくの機会ですし、というよりもそもそも不器用なので、美容院で和風美人“風”な髪型に変身してみたいな、と少し楽しみにしていました。

行きつけの美容院のお兄さんのところで和装はちょっとイメージが湧かないし、とお世話になっている着物屋さんに相談をしたところ、「アップならここが一番よ!」と太鼓判を押すばかりか、早速予約までしてくれました。

そして、当日○○美容室(○○は名字が入ります)に行ったわけなのですが、カリスマ美容師と呼ばれる美容師さんがいるような気配もなく、気取ったところもない、普通の町の美容室といった感じです。そこまでは驚かなかったのですが、ここからが驚きで、○○美容室というシブ目の名前から、なんとなく、「少し老舗の美容院でスタイリストの方は40~50歳ぐらいの男性かしら?」と思い込んでいたようで、「担当の□□になります。」と元気な推定70歳~80歳ぐらいの小柄な女性が出てきたときには、少し驚きました。

そして、私の顔を見るや否や2,3秒で「あなた、ここのおでこ、出さないでね、分け目もここじゃなくて、こう」「で、今日は?どんなイベントにご出席なの?」「お着物はどんな感じ?」
とサクサク質問はその2つのみで、私も彼女を見るや否や、「この人に全ておかませしてしまった方が下手に何か言うより絶対いい」と直感が働き、ドレッサーの椅子に借りてきた猫のように大人しく座っていました。すると、動きの機敏なこと。同時に私を含めて4名のお客さんのカットやら、ブローやらを進行させています。もちろんアシスタントの方もいるのですが、その仕事の流れもまさに阿吽の呼吸。ほぉ~っと、まるでショーでも見ている気分になり、彼女の動きを見ていたのですが、美容室の誰よりも動きが素早く、姿勢がいい。手先と目線は絶えず動きながらも、お客さんの愚痴に付き合い、アドバイスや雑談にも親身に付き合う。プロフェッショナルとは、こういう人のことだ、と50年以上は蓄積されたであろう技術と心遣いに衝撃を受けました。

私が70歳になった時に、こんなに健康で、人に感謝されるような仕事ができて、勇気を与えられるようなチャーミングな女性になりたいな、と心底思いました。他に私が素敵だな、と思う人の中に、コスチュームデザイナー兼アート・ディレクターの石岡瑛子さんがいるのですが、大変残念なことに今年、73歳でお亡くなりになってしまいました。お亡くなりになる直前まで、魂を込めた作られたドレスは現在都内で衣装展が開催されていたり、9月に公開のジュリア・ロバーツが主演の「白雪姫と鏡の女王」でもご覧になれます。衣装を着るキャラクターの性格や個性をより上手く強調し、チャーミングに変えてしまう、彼女のデザインは本当に素敵です。合掌。

素敵な大先輩方の年齢を考えると、私の人生はまだまだ折り返し地点にも満たず、これからこの先がんばって、コツコツやれば、何でも出来てしまうような勇気を与えられます。

色々妄想している間に出来上がった私の髪型は、その後周囲の方にとても評判が良く、賛辞を沢山頂きました。ここまで私を素敵に変身をさせてくれた、誰よりもイッセイ・ミヤケの服が似合う素敵な大先輩の美容師さんに何度も心の中でお礼を言いました。

私にとっては、髪型以上にとても貴重な1時間で、何か人生に迷いがあった時にまたお世話になって、髪型も心もリセットさせてもらおう、と心に決めたマーケティング部のYでした。
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*写真はイメージです


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