おやじの背中はどれくらい大きいか?

投稿者:
ライフネット生命 スタッフ

システム部の吉見です。

子どもの頃見ていたものを大人になって見てみたら意外と小さかった。という経験は皆さんおありかと思います。そんな「意外と小さかったもの」として、よくとりあげられるのは「おやじの背中」ではないでしょうか。

「おやじの背中」って、何とも抒情的な響きがあります。演歌が似合いそうな感じですが、そういう詩的なアプローチではなく、今回は数字、ファクト、ロジックを使ってアプローチしてみました。

1.身体サイズによるアプローチ
古来、人類は身体に基づく度量衡を用いてきました。Wikipediaによると、「尺」という文字は親指と人差指を広げた形をかたどったものであり、元々は手を広げたときの親指の先から中指の先までの長さだったそうです。また、フィートは文字通り足の大きさですね。 すなわちこれは「自らの身体サイズを基準にして世界の大きさを測る」ということです。

そこで、数字とファクトを。子どもと大人の身体サイズを調べてみました。
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身体サイズの比率は、大人は子どものおよそ1.46倍。この比率をそのまま適用すると、子どもにとっての大人は、大人にとって身長250センチの人に相当します。ギネスブック認定の世界一身長が高い人が236センチなので、その人よりもちょっと大きいくらいですね。ちなみに、長さが1.46倍ということは面積は2.13倍。約2倍です。

【結論】子どもの頃に見ていた「おやじの背中」は、我々大人にとっては世界一身長が高い人の背中と同じくらいの大きさで、面積としては約2倍である。

2.視界におけるサイズによるアプローチ
視界とは文字通り目に見えている世界で、視覚的にこの世界を切り取ったものです。なので、視界に占める割合が大きければ大きいほど、その客体は大きく見えているというロジックです。どういうことかというと、視界を3次元のものを2次元平面上に投射したある種のスクリーン、カンバスみたいなものだとします。これが視覚によってその瞬間に切り取られた世界そのものです。この世界は平面なので、大きさを面積で表すことができます。ある客体の写像の面積が1だとして、視界全体の面積を10だとすると、その客体は視界全体の10%を占めていることになります。つまり、世界の10%を占める大きさとして見えているわけです。同様に、同じ客体を視界の面積50で見た場合、その占有率は2%。世界の2%の大きさです。両者を比較すると、同じ客体を前者は後者の5倍の大きさのものとして見ている、と考えることにします。
※本当は、遠近法があるので、大きいものと近いものとが認知的には混ざり合うのですが。

では再び、数字、ファクトを。子どもの視界と大人の視界を比較しました。
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角度が出てきた。角度と長さの関係って・・・おお、これは懐かしの三角関数!
仮に目の前にとても大きな、視界に収まりきらないほど大きなスクリーンがあり、スクリーンと目との距離は1メートルだとする。この場合の視界はスクリーン上でどんな大きさになるかというと・・・
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初タンジェントでテンションが上がりつつも、求めた長さを使って視界を図示してみました。こんな感じの楕円になります。
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思ったより子どもの視界が小さかった。 どのくらい小さいのかを、ちゃんと面積という数値で押さえてみる。
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何だか自分の数字、ファクト、ロジックに本質的な誤りがあるような気もするが、細かいことは気にせずに。面積比で約10倍(9.23倍)ということは長さの比で約3倍。この比率を身長に引き直すと、5.2メートルの人に。というか、これはもう立派な巨人です。

【結論】子どもの頃に見ていた「おやじの背中」は、我々大人にとっては5メートル級の巨人の背中と同じくらいの大きさで、面積としては約10倍である。
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