とあるインターナショナルスクールでの宿題、同質性と多様性

投稿者:
ライフネット生命 スタッフ

遠く離れて暮らしている子どもが通う小学校(インターナショナルスクール)の先生から親あてにHomeworkという件名のメールが届きました。そこには、こういうことが書いてありました。

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あなたが育ってきた文化・環境は、あなたの子どもと同じでしょうか。
例えば、あなたはある地域の出身だけど、子どもはその地域に住んだことがない場合、あなたはその地域での生活からどんな経験をしましたか。
そしてそれは子どもは経験したことでしょうか、してないことでしょうか。
子どもと話をして、あなたと子どもとは違う経験をしてるのか、または同じ経験をしているのかについて教えてください。
プリントを子どもに渡しておきます。
次の火曜日の授業で使うのでプリントが完成したらできるだけ早く持ってきてください。
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そんなメールを読んで、なかなか面白い宿題を出すなと思いました。
子どもとコミュニケーションをして、お互い違うんだということを認識できるし、何が同じで何が違うかということを考えさせられます。
そして、宿題も、先生がやったかやってないかをチェックするだけで終わるものではなく、クラスの授業で、友達とその親の経験を共有することで、みんな違うんだという他者を尊重してうまくコミュニケーションできる土台を作ってくれそうな宿題です。

さて、宿題に戻って、親と子の育った/育っている環境の違いを考えてみると、私が育ったところといえば、夏は蒸し暑くて台風がたくさん来て、冬は雪など積もらない田園地帯で、学校のクラスメイトは熊本の子ばかりである一方、子どもは、夏は涼しくて台風など来ず、冬は雪が積もる国際都市で、学校のクラスメイトは多国籍(トルコ、ポルトガル、パキスタン、レバノン、フランスなど)。
子ども時代の環境はまったくと言っていいほど違います。

また、地域やクラスメイトだけでなく、1980年代と2010年代では、身の回りのものも違い、私のころは、やっとVHSビデオデッキやら家庭用ビデオカメラが普及してきた時期で、家でドラゴンボールを録画したり、親に運動会のビデオをとってもらっていたのを思い出します。
一方、自分の子どもはといえば、スマートフォンで自分で写真やビデオの撮影をしたり、スカイプで大陸を越えたテレビ電話をしたりしています。

ここまで育ってる環境が違うと、自分の頭と子どもの頭と同じ前提を持っているわけがなく、また、自分の時代に良いと思われていたことが、子どもが大人になる時代(2020年代、30年代)に良いことのままなのかもわからないなと思ってしまいます。
例えば、同質性の高いところでは、あうんの呼吸で相手の気持ちを察しないと、生きづらいのかもしれませんが、多様性の高いところだと、そもそも気持ちを察することなど不可能で、片言の英語とジェスチャーや顔の表情で自分の気持ちを頑張って伝えないとサバイブできないかもしれません。

それにしても、この宿題は、答えがなく、頭を使わないといけないし、親もやらないといけないので大変でした。

法務部 木庭

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