私の故郷の伝統祭事に、五穀豊穣の感謝祭として800年以上の伝統がある祭事があります。
神幸行列は獅子、神馬、神輿、祭員、甲冑武者、奴、子ども樽神輿、亀蛇と続く見事なものです。
その中の神馬奉納は、毎年男性が40歳の厄入り年に、町内居住者・出身者の男女が1年前から年会を発足させ、様々な準備や馬引きの練習を経て神馬奉納の大役を担います。
ヒト、カネ、モノの手配から、巨大な馬を引き廻す技術に至るまで、様々なことを行う必要があり1年という期間も決して大げさな期間ではないようです。
実際は数年前から諸先輩方の馬引きに参加し、その経験を受け継ぐ期間も含め、町に住まう者の繋がり自体が準備というものかもしれません。
私は学生時代以来、故郷を離れていることもあり、正直自分事としてなかなか意識できていなかったのですが、今年の年会長を、兄が務めたこと、そして同級生達が、自分達の代に向けてしっかりと活動を始めていることで、自分も当事者として祭事を認識するきっかけとなりました。
故郷から遠く離れていることで、当然私が手伝えることなど何もなく情けない限りなのですが、この一年の兄の代の準備様子が、故郷で頑張っている友人達から時折りSNSを通じて報告をもらったことで、故郷をより近くに感じることができました。
そして自分達の代の年会まで、まだ数年あるのですが、随分前から自ら会長を引き受けることを宣言してくれた同級生は本当に頼もしく、今から頭が上がりません。
手伝えることは決して多くはありませんが、生まれ育った地の次世代への橋渡のために、何かできることも何かあるかもしれません。数年後に故郷の地で参加することを今から楽しみにしたいと思います。
マーケティング部 加納
▼友人から届いた本祭り迫力の一枚 ※法被姿は勢子(せこ)と呼ばれる馬追い役です