歌のしくみ

投稿者:
ライフネット生命 スタッフ

自分の利用していた音楽配信サービスが、サービスを終了することになりました。
月々の定額を支払えばサイト内にある楽曲が聴き放題というサービスで、雑誌などで紹介されていた気になる楽曲の試聴にも使えるので重宝していました。無料の動画共有サイト等では見つからない曲も多々置いてあるので相互補完できるのです。CDとそれを取り込んだデータがメインの音楽媒体である自分は、このサービスをそれほど頻繁に利用していたわけではないのですが、何か面白い活用はできないものかと登録していただけに少し残念です。新しくなって戻ってくることを期待しています。

インターネットで音楽が簡単に聴けるようになり、シンプルに歌(+映像)のみが共有されていく空間がある一方で、音楽に関する文字情報も雑誌やディスクガイドはもちろん、インターネット上にも溢れています。
一昔前は、レコード屋でさえ試聴ができず、ジャケットとその上に書いてある情報(参加ミュージシャンやプロデューサー等)を頼りにレコードを漁るということがなされていたそうで、そういう時代にはディスクガイドのような情報も重要性が高かったに違いない。しかし、実際に音を聴くのが容易な世の中で、百聞は一見にしかず、検索・試聴・検索・試聴…と消費していく方がある意味で効率的です。そんな環境下で、音楽のことを言葉の世界に変換するという行為に価値を付けるのはどんどん難しくなっている気もします。

“音楽について書かれた文章”には、「この曲は、こんなことを歌っていて、これくらいのテンポでこういう雰囲気」といった曲そのものに関する情報だけではもちろんなく、作者の私生活や交友関係、時代背景、制作過程などの周辺情報であったり、評論家の評価もあるし、やや専門的に楽曲の構造分析がされていることもあります。
純粋に音楽を聴いて楽しむのにそんな情報は必要ない、という意見もあるでしょう。でも、音楽にもいろんな楽しみ方があっていいと思います。「この人はあの人の影響を受けている。このドラマーは実はあの人の後でも叩いている」といった関係に興味を持って(いわゆる「関係萌え」)、新しい音楽をたどっていくこともまた趣深いものですし、曲の構造について知ることで聞こえ方がガラッと変わることもあります。同じ曲を別の人が演奏しているのを聴くと、元の曲を印象付けていたものが鮮明になるのは、モノマネが本人以上にその人らしさを浮き彫りにするということに似ています。

明治神宮のおみくじには、教訓の込められた歌(大御心)が書かれています。年が明けてもう2か月が経とうとしていますが、今年引いたものを紹介しましょう。この歌にどのような節がついていたのか私には分かりませんが、想像してみるのもいいかもしれませんね。

朝ごとにむかふ鏡のくもりなく あらまほしきは心なりけり
(毎朝向かう鏡が曇りなくきれいだと気持ちがいいように、心という自分自身を映す鏡もきれいにしておきたいものです)

数理部 片切

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