ブラックマンデー

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ライフネット生命 スタッフ

先週月曜日は9月11日。911の攻撃から16年ということで、テレビでグラウンドゼロでの追悼集会の様子をご覧になった人も多いだろう。1カ月後の来月10月19日にはブラックマンデーから30年になるからいろいろな特集が組まれ、再びNYの映像を目にすることになろう。

30年前20代の私は、今はなき(911で崩落した)世界貿易センタービル南棟104階にある、これまた今はなきリーマンブラザーズで研修中の身であった。ブラックマンデーはリアルタイムで見た。と言っても、ブラックマンデー当日は米人スタッフ同様、一向に値が付かない株価ボードを前にただ呆然と立ちつくすだけであった。あんなにしょぼくれたアメリカ人を間近に見たのは後にも先にもあれ一度きりだ。

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その週は更に二つの経験をした。研修プログラムのひとつとしてブラックマンデーの翌々日の水曜日に、証券取引所見学の予定が組まれていたのだ。大丈夫かなぁと訝りながら取引所の受付で担当してくれる場立ちの名前を言い、少し待っていると、本人が現れ「こんな状態だから研修なんか昨日断ったんだが、来ちまったのか。しかたない。入れ」と舌打ちされつつ、後ろに従いカメラの砲列の横をすり抜け取引所内に入った。はたして、取引所のホールには1日半前の興奮の余韻が残っていた。よく目を凝らすとフロアを所狭しと駆け回る場立ちたちのハッピの胸には「Don’t Panic」のバッジがついている。月曜日の場が引け関係者一同打ちひしがれた中、誰かが言いだして直ちに採択され急作成し配布されたものだろう。どんなに大きな危機の中にあろうとも常にこのようなユーモアがなくてはならないと思った。

その週にもう一つ行ったのは、日本語から英語への翻訳である。当時米国株の取引所には東京証券取引所にあるような値幅制限がなかった。ある株が売られ値幅制限の下限に達するとそれ以下の値段では取引はできなくなる。ストップ安と呼ばれるものだ。この仕組みの下では株価は一定水準以下には下がらない。冷静になれる時間が生まれ一気に大崩れすることがないようにという安全装置である。どこで入手したのかわからないが、ボスがこの制度をについて書かれた日本語の文章を私の前に置き、「日本には1日の値幅を制限する制度があるらしいな。その制度について知りたい。よいものなら導入を提言したい。ここに書かれていることをすぐに英語に翻訳してくれ」との指示があった。スラスラとしかも格調高く翻訳できるはずがない。まさかボスはそのまま証券業協会の会議などに出さないだろうななどと考えながら、冷や汗をかきながら英語と格闘していたことを憶えている。

今も米国株には値幅制限の制度はない。まさか私の翻訳が稚拙で制度のよさや精巧な仕組みを表現できなかったからということではあるまい。1カ月後に再び暴落することがないように祈りつつ30年前を振り返りました。

お客さまサービス本部 山崎

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