マーケティング部の肥田です。
実家は小さなエンジン修理屋、カッコ良く言えば内燃機屋です。
戦前、曾祖父が地元ではまだ珍しかったバイクの販売店をやっていたのですが、紆余曲折あって(あったらしく)、戦後にエンジン修理屋になったそうです。
※写真は、曾祖父がお客様のツーリングに修理屋さんとして同行した際の記念写真(らしい)と、修理中?の何かのエンジン。
頑固な職人気質の曾祖父の始めた工場を、営業センスはピカイチの祖父が継いだのですが…またまた紆余曲折あって、事業拡大のタイミングを逸した頃に父は工場に入ったそうです。
※祖父の作業場
物心つく頃から慣れ親しんだ独特の油のニオイと研磨の音は何時までも変わらないものだと思っていたので、父から「工場を閉める」と聞いた時には、何とも言えない気持ちになりました。
自分では継げなかったけど、職人として父はカッコ良いので、もっと仕事を続けて欲しかったのですが、私が小学生の頃から「腰が痛い」と言っていたし、何十㎏ある鉄の塊を万が一落として怪我でもしたら…と思うと、工場を閉めないで欲しい仕事を続けて欲しい、とは言えませんでした。
※写真は父が得意だった?らしい研磨機と、父が何時もいた作業場
夏は鉄粉を吹き飛ばすエアスプレーをシャツの中に吹きかけ涼をとる、(やっちゃダメと言われてるけど)弟と顔にスプレーし合って遊ぶ、冬にはエンジンを温めているストーブの上に湯を張った箱を置いて缶コーヒーを温めて飲む…等、工場にはたくさんの思い出があります。
※缶コーヒーを温めてくれる父(特に寒い日はガスバーナーを追加します)
そういえば、息子を工場に連れて行った事が無いなぁ…と思い、先日
父が最後の仕事をしている日に、お休みをもらって息子を連れて工場を訪問しました。
息子にはどの機械も刺激的らしく、手を真っ黒にして工具やスイッチを触りまくり・押しまくり!
父も息子(孫)の前で良い所を見せようとしたのか、鉄くずを削って火花を出す…など大サービス??
親子三代で、愉しい時間を過ごしました。
※火花を散らしたり、大きな音をたてながら仕事をする父を、テンション高く見つめる息子。
帰宅後、「また、いく」と愉しそうに話す息子をに、もう工場は無くなるんだよ…と話しても
理解出来る年齢ではないので、一人でなんとなく切ない気持になりました。。が、
父の仕事場を、職人としての父を息子にも見せる機会が作れてよかった、父も孫の前で愉しそうで良かった。
久しぶりに親孝行したなぁ…と思えた休日でした。
※様々な機械があったのに、最もテンションが上がったのは壁掛けのホワイトボード&マグネットでした(苦笑)