空想の世界

投稿者:
ライフネット生命 スタッフ

システム部の吉見です。

子どもの空想の世界というのは意外性に富み、そして、どこかいつも間抜けです。
そんな子どもの空想の世界をいくつかご紹介したいと思います。

1.会社員である
うちの子どもはある会社に勤めているようです。これは2歳の頃の話。
その会社の所在地は目黒。目黒駅のすぐ近く。なぜ目黒なのかは不明。会社の名前は秘密。主な業務はバッタ(とりわけショウリョウバッタ)の巣を守ることと、お花にお水をあげること。だそうです。会社には先生とお友達がおり、先生の名前はキズグチ(傷口?)先生。お友達の名前はウメボシさんとズカくん。ウメボシさんは2歳年上(4歳)、ズカくんはタメ(2歳)。会社にも、先生とお友達という2種類の人がいると思っているようです。
ちなみに5歳になった今、「このこと、覚えてる?」と子どもに尋ねたところ、覚えているどころか「本当に行ってるよ!」と口を尖らせながら語ってくれました。会社はその後所在地を変え、今は荒川区町屋にあるそうです。事業も多角化が進み、いろんな遊びを考えること(後述)にも手を出しているとのこと。でも会社の名前は相変らず秘密でした。

2.グチャグチャヒーロー
男の子は一度は戦隊モノに夢中になるものですが、うちの子どもはTVの戦隊モノでさんざん遊びつくした後、空想世界の戦隊に夢中になっていました。3歳の頃の話です。
その戦隊の名はグチャグチャヒーロー。およそヒーローらしからぬ名です。正義の片鱗も感じられない。品位のカケラもない。「名前は大事だよ」と何度か示唆したことはあったのですが、これがかっこいいと言い張って聞き入れてくれませんでした。戦隊モノには、例えば、忍者とか、サムライとか、天使とか、海賊とか、統一されたテーマ、コンセプトみたいなものがあって、それを表す象徴的な名前が「●●戦隊」の「●●」の部分に込められていたりします。で、グチャグチャヒーローのコンセプト「●●」にあたるものが何なのかを確認したところ、「テープ」という答えでした(テープ戦隊ですらなく、単なるテープです)。「ん?テープ?テープって何?」 何度も確認しましたが、結局、テープとはカセットテープのことであると結論付けられました。わが家にカセットテープの実物は無いのでどこで覚えたのか。そして、なぜ誇り高き戦士たちのコンセプトとしてカセットテープを選んだのかは全くのナゾです。なお、変身グッズは消しゴムです。変身グッズといえば、そのヒーローのかっこよさを凝縮した意匠であり、また、消費を誘う最大のウリでもあるのですが、それがただの四角いプラスチック消しゴムとは。。。右手で消しゴムを持ち左手の二の腕あたりに押し当て、「テープ、グチャグチャヒーロー」と叫んで変身します。その後は、「グチャグチャレッド、グチャグチャブルー・・・」という名乗りが続きます。この戦隊は11名という大所帯で、赤青桃緑黄の基本5色+金銀白黒橙の変則5色+偽者の11名で構成されています。名乗りだけで3分くらいかかります。ちなみに、「グチャグチャ偽者」って名乗りをあげる時点でこの偽者さんはどう考えても間抜けなのですが、案の定、キメのポーズもダサくて、戦闘では毎回失敗し、戦隊を不安と危険に陥れます。なんでそんな奴が仲間なんだと毎回思っていたのですが、理由は最後まで分かりませんでした。なお、敵はクルマドウシ(車童子 or 車導師?)という集団がボスキャラ級で、すぐにやられる戦闘員はジテンシャドウシという名前らしいです。

3.グリーンウォーズ
有名なスペースオペラのパラレルワールドです。名前の由来は「戦う場所の床がグリーンだから」とのこと。なぜ床の色がタイトルになるほど重要なのかはよく分かりません。4歳の頃の話です。
基本的には本家と同様の世界観なのですが、プラン・チック、プリクス・ポークス、ベリクス・ベリクス、サンクス・ディーバ等、子どもが勝手に考えたキャラクターがやたらとたくさん登場するのが特徴です。最盛期は20名くらい居たと思います。しかも、誰かが誰かの弟子で、さらにそのまた弟子がいたり、誰かがもともと敵(またはその逆)だったりと、人間関係が複雑で気まぐれ。妻は最初からその世界に参加することを諦めていました。私もキャラクターのデータベースをつくろうかなと思っていた矢先、突然にブームは去り、そのまましばらく忘れていました。 しかし、ひょんなことから最近ブームが再来。セカンドシーズンだそうです。ファーストシーズンの頃は泡沫キャラだったダイザエモン(大左衛門?)という男の子が実は物語の鍵を握るという展開になっています。そんな重要キャラがあの昭和の名作アニメを彷彿とさせる名前であるところに脱力を禁じ得ません。しかし、ファーストシーズンのころはまだ幼かったダイザエモンも今や立派な青年へと成長し、正義と平和の守護者たる騎士団の中心人物になろうとしています。本家のようになるのかな、と思いつつ、やっぱり名前が気になる。。。

空想世界のお話には、これ以外にも色々なシリーズがあるのですが、最近、あることを子どもから告白されました。 どうも、こうした空想の物語にはシナリオライターが居るらしいのです。
実はそれが会社のお友達のウメボシさんとのこと。つまり、会社の仕事として遊びを企画するのがウメボシさん、そして、同じく会社の仕事としてそれを遊ぶのがうちの子ども、という役割分担らしいのです。空想が入れ子になっていて何だかよく分からないのですが、どうもひとつの世界として取り繕おうとしているようです。ちなみにウメボシさんとうちの子どもはとても仲が良く、週2~3回は町屋で飲み会をしているとのこと。

辞書によると、妄想とは、「とらわれの心によって、真実でないものを真実であると誤って考えること」だそうです。子どもの「とらわれのない心」が見ている世界は空想だなと思いつつ、私の場合はまさに妄想だな、と自戒しつつ。

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