進化する「進化」

投稿者:
ライフネット生命 スタッフ

一昔前の「進化」は簡単でしたが、差別的ないやな響きも持っていました。
魚⇒両生類⇒爬虫類⇒哺乳類⇒人類という一直線の流れでとても分かりやすく、「進化」するごとにレベルが上がる双六のようでした。

<昔、説明されたあ「進化」の流れ>
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そのため、生物に優劣はないのに、進化することは良いことであり、進化していないものより偉いという思想に結びつき、具体的には、白人の植民地支配や人種差別を正当化する根拠の一つとなりました。20世紀に多くの悲劇を生んだ本として、「種の起源」があげられていることを知ったら著者のダーウィンもがっかりすると思います。
人種差別が良くないこととされるまでは、長い年月が必要でした。
「進化」についても、研究が進むとそれまでの簡単な一直線の流れではなく、もっと複雑で多様なことが明らかになってきました。

<初期の魚=板皮類=浮き袋が存在せず、海の上層に居たと言われている>
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例えば、魚です。
私の学生時代は、「魚にはもともと浮き袋があって、それが、両生類の肺となった。」と教わりました。ところが、今の教科書には、「まず、浮き袋のない魚(板皮類)が海から川や沼に移動した。そこで、酸素の少ない時期(乾季など)を過ごすうちに食道に空気を取り込み酸素を得る原始的な肺を持つようになった。そのあと、陸に進出したものは陸上生物の先祖となり、海に帰ったものは、肺を浮き袋にすることで生息域を拡大し、現在の魚の先祖となった。現在の魚類のなかで、陸上経験がない=浮き袋がないのはサメとエイくらいである。」ことが明らかになってきました。
陸と海の分岐のころの魚が喋れたら、こんな会話をしたかもしれません。
A「海の魚に追われて、ここまできたけど、生き延びて良かったね。」
B「でも、川に上ったとき、酸素が減ったとき、多くの友達が死んじゃったねえ」
A「これからどうする?」
B「このままだとノビノビ暮らせないよね。」
A「ぼくは、陸に上がろうと思う。冒険だけど、陸地を歩いてみたい。」
B「ぼくは、もう一度、海に戻って、思いっきり泳いでみたい。
僕らをいじめた海の魚と戦ってみたいんだ。」
A「ここでお別れだね。頑張ろうね」
B「元気でね。」
こうして別れたAは陸上を制覇し、Bは海の魚(板皮類)をやっつけて海を制覇したということです。
これだけでも、現在の「進化」は、簡単な一直線の流れでないことが分かります。我々陸上生物と魚は、共に冒険に挑んだ仲間のように思えます。陸上生物は魚より、進化のレベルが高いとは決して思えません
<Bさんの子孫>
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<Aさんの子孫>
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研究が進む「進化」では、このほかにも、
「植物は裸子植物から被子植物に進化した。受粉が風によるものから花=昆虫によるものに進化した。」と言われてきましたが、「被子植物のなかで、最も新しく出現して(6000万年前)繁栄している草(イネ科)は、昆虫が生息していない地域に進出できるよう受粉は風によっている。」ことが知られています。花が進化の頂点ということは無い訳です。 
<イネ科>
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余談ですが、草食恐竜は存在しないと言われています。その時期には草が存在しなかったためで、現在では植物食恐竜と言われています。
植物の進化、恐竜の進化、恐竜と哺乳類の1億年の生存競争など、研究が進む「進化」では、目からウロコの話が次々と公表されています。関心のある方は、「進化」をキーワードに検索して頂くと面白いかもしれません。

ライフネット生命は、ネット生命としてこの世にあらわれましたが、これからもお客さまのために正しく「進化」を続けていきます。ご支援をよろしくお願いします。

KDDI事業部 谷


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